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受験直前、お風呂でリラックス、リフレッシュ、良質の睡眠を
温泉療法専門医
お風呂の効用は実に多彩。疲労回復やリラックスだけでなく、質の高い睡眠や冷え性対策、リフレッシュにも効果を発揮します。温泉療法専門医の早坂信哉氏にお風呂の活用法を伺いました。
良い睡眠のための「入浴タイミング」は?
入浴に疲労回復効果があるのは、皆さんご存じの通りです。お風呂に入って体が温まると手や足先などの末梢神経が拡張し、血行が促進されたり、筋肉や関節が柔軟になることで体の疲れがとれていきます。その効果を得るための入浴の基本は、「40℃で10分間、肩までしっかり浸かる全身浴」です。
受験期は特に睡眠が大事ですが、よい睡眠のための入浴ポイントは『就寝90分前』。就寝の90分前にはお風呂に入り、全身浴法で体を温めます。入浴後、体温は一旦上がりますが、徐々に下がっていきます。この時が入眠に最適なタイミングです。通常だとだいたい90分程経過した頃に体温が下がってきますので、このタイミングで布団に入るとぐっすり眠ることができるのです。
「疲れをとる」と「汚れを落とす」
使い分けを
ただ、受験前には毎日同じタイミングで入浴するのは難しいものです。90分前に入浴するのがかなわない時は、シャワーで汚れを落とすだけにしたり、湯船に浸かるにしても5分以内にしてサッとすませましょう。なぜかというと、体が温まった直後は、寝つきにくいことがあるからです。全身浴で「疲れをとる」のと、「汚れを洗い流す」シャワーを上手に使い分けましょう。
また、冷えた体を温めたい場合や冷え性対策には、熱めの湯加減がよいと考えがちです。しかし、42℃以上の「あつ湯」だと体温が上がっても、その体温を維持しにくいため、むしろ38〜40℃のやや「ぬる湯」の方が体温の上がり方が緩やかな分、下がり方も穏やかで温かい状態が長く続きます。
副交感神経のスイッチを入れ、
リラックス
勉強に身が入らなかったり、気持ちが落ち着かなかったりしたら、机から一時離れて気分転換に入浴するのも一つの手。そんな時こそお風呂のリラックス効果を活用したいものです。
38〜40℃のぬる湯に入ると、活動時に優位となっている交感神経は、副交感神経に切り替わります。交感神経も副交感神経も自律神経を構成するものです。
自律神経とは、内臓や代謝、体温といった体の機能をコントロールする神経で、副交感神経が優位になると気持ちがリラックスするのです。お風呂に入っただけで気持ちが落ち着くのは、こういった働きが作用しています。
お風呂+五感でリフレッシュ
入浴に、呼吸や音や香りなど五感を用いた行いを組み入れると、お風呂でのリフレッシュ方法のバラエティが広がります。いくつか例を上げますので、気になるものがあったら、試してみてはいかがでしょうか。
受験期は体調管理も大変です。良質の睡眠を手に入れ、体調を万全にして受験期を乗り越えてください!
【呼吸】……何も考えず頭を休める
湯船に浸かったら、1~3分程度何も考えずに、目をつぶって腹式呼吸に集中してみる。「過去問を終わらせて…その後は数学の問題集をやって…」といろいろな考えが浮かんできてもそこに気持ちを向けないで、頭を空っぽにしてみる。それがリフレッシュとその後の効率アップにつながる。
【音】……聴覚からもリラックスを促進
好きな音楽をかけ、思いっきり肩の力を抜く。
目をつぶって聴覚に集中し、浴室内のポチャンポチャンなど水の滴る音などに耳を傾ける。ここでも頭を空っぽに!
【香り】……癒し効果を楽しむ
香りには、心を鎮めて気持ちを穏やかにする作用がある。お気に入りの入浴剤を入れて、嗅覚からリラックス。
洗面器にお湯を張りアロマオイルをたらしたり、香水やオードトワレなど浴室に吹きこむことでも香りを楽しめる。柑橘系の香りは、気分をリフレッシュするだけでなく、心を元気にして幸福な気分にするように、香りごとにさまざまな効用をもつので、気分にあわせて楽しむこともできる。
Profile
Shinya Hayasaka
東京都市大学人間科学部 教授
温泉療法専門医
自治医科大学卒業。地域医療に携わり、高齢者の入浴相談に乗るうちに入浴の効果とその重要性を強く認識。20年以上にわたって3万人以上の入浴を調査したお風呂研究の第一人者。
掲載冊子
こちらの記事掲載冊子は「ForMマガジン 02」です。
※2022年11月時点の取材内容
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