【東海大学】
医学部付属病院がタイ・ランシット大学医用生体工学部の卒業生らを対象とした生体工学技士(BME)研修を実施し、タイとラオスを訪問しました

医学部付属病院では12月2日から13日まで、タイ・ランシット大学医用生体工学部の学生を対象とした生体工学技士(BME)研修を実施しました。この取り組みは、タイにおけるBME制度の確立や人材育成に協力するため、本病院の医師や臨床工学技士(CE)が中心となって2017年に開始。現在は、「東海大学医学部付属病院診療技術部TRICOLOR (Tokai Rangsit International Collaboration on Resources of Humans and Medical Devices)プロジェクト」として展開しています。

今回は5日間のプログラムを2回実施し、各10名が受講。本病院のCEが中央手術室や血管造影室、エネルギーセンターなどの施設を案内し、人工心肺装置や血液浄化装置といった医療機器の構造や保守管理方法について講義しました。期間中は、テルモ株式会社とオリンパス株式会社を訪れ、実際の医療機器を用いたトレーニングも体験。さらに医学部付属八王子病院では、市や近隣の医療機関と連携した地域医療、南多摩保健医療圏における同病院の役割について学びました。

また、今年度は松前重義記念基金国際活動助成を受けた事業として、診療技術部臨床工学技術科の西原英輝科長ら4名が11月4日から8日までタイとラオスを訪問しました。ラオス訪問はランシット大との交流を通じて初めて実施したもので、国立マホソット病院や地方のルアンプラバン病院を見学。さらに、保健省や同省メディカル・プロダクツ・サプライ・センター(MPSC)、独立行政法人国際協力機構(JICA)の現地事務所を訪れ、保健医療の現状やBME育成に関する課題について職員と意見を交わしました。また、タイではランシット大の教員らと今後の協力の方向性について協議し、医学部医学科の学生を対象としたタイ研修でも交流しているプラナンクラオ病院を見学しました。

西原科長は、「プロジェクトはこれまで本病院を中心に実施してきましたが、『付属病院機関』の取り組みに広げることができました。さらに、アセアン諸国へと拡大させる可能性も見えています。八王子病院の中村晃司事務部長(当時)からは、“受講生との交流を通じて職員がグローバルマインドを持つとともに、他人事を自分事として捉える機会になった”との感想も聞かれ、手応えを感じています。また、ラオスでは現地を訪れて保健医療関係者と直接話すことで、双方の医療制度や実情を学ぶ機会になりました。本学の創立者・松前重義博士以来、築かれてきたタイと東海大学との関係をさらに発展させ、関係国への保健医療の充実に資するとともに、付属病院機関が所在する地域の医療の発展につなげていきたい」と話します。

本プロジェクトの立ち上げから関与しているスポーツ医科学研究所の木ノ上高章特任教授は、「タイとは、医学生の研修や医療従事者の相互訪問を通じて交流を深めており、今後は教育や臨床の垣根を超えた『東海大学ヘルスケア』の枠組みでの連携が進んでいくと期待しています。今回のラオスの訪問は、本学が世界保健機関(WHO)やJICAと連携して1996年から22年にわたって実施した『21世紀保健指導者養成コース』の修了者である同国保健省関係者やJICA横浜との連携によって実現しました。各国で活躍する修了者と本学が協力し、さまざまな国の保健医療の発展に貢献できることをうれしく思います」と語っています。

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データ提供:東海大学

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