【兵庫医科大学】
2024年度日本脳循環代謝学会 エビデンス創出・基礎研究推進研究に採択(先端医学研究所 主任教授 中込 隆之)

先端医学研究所 神経再生研究部門 主任教授 中込 隆之の研究が、日本脳循環代謝学会 エビデンス創出・基礎研究推進委員会の認定研究(基礎研究)として採択されました。11月1日に開催された第67回日本脳循環代謝学会学術集会で授賞式が執り行われ、研究成果についての講演を行いました。

授与団体名

日本脳循環代謝学会
日本脳循環代謝学会(外部サイト)

研究課題

高品質な傷害誘導性幹細胞による革新的新規神経再生療法の開発を目指した基盤的研究

研究の概要

脳梗塞は虚血により神経脱落症状を呈する疾患であり、麻痺や言語障害などの後遺症を合併することが多く、寝たきりの主要な原因となっています。それに伴う社会的損失は非常に大きく、有効な治療法の開発は喫緊の課題です。
本学の先端医学研究所神経再生研究部門では、脳傷害病態時に特異的に誘導される内在性幹細胞 (傷害/虚血誘導性幹細胞、injury/ischemia-induced Stem/Progenitor Cell: iSC) の存在を世界に先駆けて報告してきました (Neural Regen Res, 20, 797-798, 2025)。
最近では、脳梗塞患者より単離培養したヒト由来iSCを脳梗塞マウスに細胞移植する前臨床試験を実施し、ヒト由来iSCによる細胞移植が、内在性神経幹細胞の活性化や神経ネットワークの再構築などを介して神経機能を改善させることを、本学の脳神経外科学講座等との共同研究にて明らかにしてきました (Stem Cells Transl Med, 12, 400-414, 2023)。以上の結果は、iSCを用いた細胞治療は、将来、脳梗塞などの脳傷害に対して有用な新規治療法になり得ることを示唆しています。
iSCは既知の移植候補細胞とは異なり、脳傷害病態時の生体内に誘導される内在性幹細胞であるため、細胞移植への応用のみならず、病態時の生体内に存在するiSCを標的とした治療開発への応用も期待できます。しかしながら、これまでの研究を通じて、iSCには、いくつかのサブタイプが存在することも明らかになってきており、いかなるサブタイプのiSCが神経脱落症状の改善に最も有用であるかは解明できておりません。そこで、本研究課題では、様々は細胞特性を有するiSCの中でも、最も神経再生や神経脱落症状の改善が期待できそうなiSC(高品質なiSC)を用いた基盤的研究を行い、脳梗塞に対する革新的新規神経再生療法の開発を推進させていく予定です。

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データ提供:兵庫医科大学

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