【昭和医科大学】
水上拓也准教授が冠動脈機能評価技術「PPG」の実用化および商用利用開始に貢献

水上拓也准教授(医学部薬理学講座臨床薬理学部門)が2018年の開発初期から深く関与してきた冠動脈機能評価技術「PPG(Pressure Pullback Gradient)」が、2026年3月21日の第90回日本循環器学会学術総会(JCS 2026)に合わせ、日本国内での商用利用が開始されました。

PPGは、冠動脈内の圧力を遠位から近位に連続的に引き抜きながら計測(プルバック)し、その勾配を解析することで、病変が「局所性(focal)」か「びまん性(diffuse)」かを0.00から1.00の数値(PPG index)で定量的に評価する手法です 。
本学は、2019年に国際共同研究「PPG Global」に参画した際、日本国内の医療機関としては初めて本技術を導入いたしました。以来、医学部内科学講座循環器内科部門との緊密な連携のもと、国内におけるPPG研究のフロントランナーとしてその有用性の検証を続けてまいりました。従来の検査では困難だった冠動脈病変の病型を客観的に示すことで、ステント治療(PCI)の適切な適応判断や、治療部位の精密な特定を可能にします。本技術の重要性は世界的に認められており、欧州心臓病学会(ESC)が発表した最新の「慢性冠症候群(CCS)管理ガイドライン(2024年版)」においても、PPGに関連する論文が多数採用・引用されました。本技術は、Abbott社より販売される医療機器アプリケーション「CoroFlowカーディオバスキュラー システム」に搭載され、2026年2月に日本のPMDA承認を取得しました 。

水上准教授は、2017年のベルギー留学中より本プロジェクトの中心メンバーとして参画してきました。その役割は多岐にわたり、PPG解析アルゴリズムの基礎となる技術開発から、臨床研究のプロトコル立案・実施、データの解析および報告に至るまで、プロジェクトの全工程において主導的な役割を果たしてきました。2019年にはJACC誌にてPPGのコンセプト論文を発表し、その後も長期予後を検証する国際バリデーション研究において中心的役割を担うなど、世界的なエビデンス構築を一貫して牽引してきました。今回の国内商用利用開始は、本学が先駆けて取り組んできた研究成果が、日本の臨床現場全体へ還元される重要な節目となります 。

【水上拓也准教授のコメント】

2017年にベルギーでこの技術の構想に携わり、2019年に本学が国内で初めてPPGを導入して以来、新家俊郎教授(医学部内科学講座 循環器内科部門)の多大なるご協力とご指導のもと、一貫してこの技術の臨床応用を追求してまいりました。単に虚血の有無を診るだけでなく、血管全体の病態を詳細に把握して最適な治療戦略を立てる『生理学的評価に基づく最適化医療』が、日本でも日常臨床として普及することに大きな喜びを感じています。本学が国内の先駆けとして蓄積してきた世界トップレベルの知見を活かし、個々の患者さんの病態に即した最適な治療をさらに深化させてまいります。今後も、本学から世界へ向けて、次世代のスタンダードとなるエビデンスに基づいた医療革新を力強く発信し続けていく所存です 。

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データ提供:昭和医科大学

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