イントロ
原作は『BE・LOVE』(講談社)にて、2011年から2018年まで連載された医療漫画。主人公は、産休の養護教諭の代わりに産休補助教員として小学校の保健室を預かることとなった牧野。彼は赴任する前までは帝都大学附属病院の小児科医だったが、愛想の無さと口のきき方の悪さ、態度の大きさを問題視されていた。そのため、学校に専門医を試験配置することを決定した医師会からの要請という口実で、小学校に異動させられたという背景をもつ。子ども達の未来を守る最後の砦たる保健室を舞台に、小学校に赴任した仏頂面の「学校医・牧野」が、類稀なる観察眼で異変を見抜き子供達と父兄を救ってゆく物語。
原作をベースに、2024年10月より日本テレビ系列にてテレビドラマが放送中。ドラマでは、小児科医の牧野を松下洸平が演じ、「学校医」として東多摩第八小学校に赴任した場面から始まる。医師を学校に常駐させるという新たな試みで大学病院から送られた、口も態度もでかい小児科医・牧野が、その観察眼で「言葉にできないSOS」を見抜き、未来へ向かう子ども達の背中を押す保健室ヒューマンドラマとなっている。
作中の病気あれこれ
・ツツガムシ病
ストーリー(第1話)
6年2組のやんちゃな児童・拓真は、裏山の立入禁止エリアにカッコいい秘密基地を発見したと大興奮。興味を持った宏哉と大和を引き連れて、裏山に行くことに。しかし、体調が良くないことを隠していた拓真は、藪の中で突然倒れてしまい・・・。
病気の概要
ツツガムシ病は、ツツガムシリケッチアへの感染によって引き起こされる人獣共通感染症の1つです。病原体を保有するダニの一種であるツツガムシによって媒介され、感染症法の4類感染症に指定されています。
刺し口は有毒ツツガムシが吸着してから2-3日目に周囲に赤みのある小さな水ぶくれとして現れ、膿疱状に変化した後、10日目頃に周囲が赤く盛り上がった黒色のかさぶたになります。刺し口に痛みや痒みを覚えることはあまりないため、発熱などのツツガムシ病が疑われる症状が出た後、診察時に刺し口が発見されることが多いです。刺し口は、陰部・内股・脇の下・下腹部・小児の頭皮など、皮膚の柔らかい箇所に現れます。
発病時の症状はインフルエンザなどと似ており、ツツガムシに刺されてから5-14日の潜伏期を経て、全身の倦怠感、食欲不振、強い頭痛に見舞われ、38-40度の高熱が続きます。さらに発熱後2日目ころからは、体幹部を中心とした全身に2-5mm程の発疹が出現し、5日目ころに消退します。また、刺し口の近くに局所的なリンパ節の腫れが見られ、押すと痛みます。
早期に診断がつき適切な治療が行われれば速やかに治癒しますが、治療が適切でない場合は症状が長引きます。ツツガムシ病における死亡例のほとんどは、ツツガムシ病と診断されないまま重症化し、多臓器不全や播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)となってしまった患者です。
調べて納得
厚生労働省によると、ツツガムシ病は北海道、沖縄など一部の地域を除いて全国で発生がみられます。発生時期は春~初夏及び晩秋から冬ですが、媒介ツツガムシの生息地域によって異なります。各市町村のホームページで注意喚起がされており、身近な病気ということがわかります。野山、田畑、河川敷に入るときは、長袖長ズボンを着るなどの予防が必要と学べるシーンでした。
次回予告
Part 3では同じく第1話で扱われた「ナルコレプシー」について詳しく見ていこうと思います。乞うご期待ください。
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